コロナ禍で「パラレルキャリア」という生き方に再び焦点が当たっている。私は「パラレルキャリア」という言葉に違和感を感じてきた。
労働者の供給が不足しており、かつ時間労働に対して報酬が支払われる仕事なら、あまりダブルワークをする意味はない。 もし、主業の方が稼げるのなら、副業に時間を割くより主業にフォーカスすべきだろう。 逆に、副業の方が稼げるのなら、キャリアをそちらに一本化すべきだろう。
では、パラレルキャリアはどんな役に立つのか。 私が思いつくのは「リスク分散」である。 例えば、一週間のうち3日を準委任の業務委託や時短勤務で働き、残りの2日で請負の業務に取り組む。 これによって、安定した収入源を確保しつつ、不安定だが利益の大きい請負の仕事を並行で進めることができる。 特に請負では手元の資金がショートすると、次の案件獲得を急がなければならないので、足元を見られやすい。 また、独学で勉強した業務領域を副業で実践して、実務経験を積みながらキャリアの土台を広げるのもいいだろう。